【ものづくり班】大漁旗を蘇らせたい。
2011/09/01

今回の震災で大きな被害を受けた日本製紙の石巻工場では最近、大量の瓦礫の中の木材を自家発電用の 燃料として再利用する試みが始まっています。

 

また、同じく大量に出たコンクリート類は、粉砕して今後埋め立て用の材料にする動きもあります。どちらもガレキを「ゴミ」ではなく、「資源」として活用しようと言う試み。

 

オンザロードでも、「瓦礫=ゴミ」ではなく「瓦礫=財産」と捉えて「ものづくり」という部分でもう一度、大漁旗を蘇らせたい。と言う試みをはじめています。

 

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ことの始まりは、津波で流された大量の大漁旗を津波後、手付かずになっていた建物の中で見つけたのがきっかけでした。

 

津波で流された当時のまま見つかった「香取丸」の文字が入った大漁旗。持ち主の方を探して事情を説明させてもらうと、快く譲っていただくことができました。早速この大漁旗を蘇らせるためのアイディアを練り始めます。

 

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まずはしっかりと汚れを落とし、

 

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一枚一枚に、どんなストーリーがあったんだろう?と想いを馳せながらキレイに洗って天日干し。

 

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そして最初に制作にとりかかったのが、お神輿を担ぐ際に着る用の「大漁旗のハッピ」

 

鮮やかな色と柄を生かした良いものにするために、 地元の方でそういった技術を持った縫い子さんを探して歩きました。自分たちだけで創るのではなく、将来的にこの大漁旗を使っての「ものづくり」「手仕事」と言う形で雇用に繋がって行ように思ってのことです。

 

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協力を申し出てくれたのは、渡波元気祭でも津波で流された獅子頭を使っての獅子舞を披露してくれた「渡波獅子風流塾」のメンバーでもある阿部さんのお母さん。

 

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阿部さんのお家は高台にあったため津波の被害をまぬがれたのですが、同じ地元で津波の被害に会った方々のために何かしたい、私ができることなら何か力になりたいと言ってくれて、阿部さんの家に通ってのハッピづくりがはじまりました。

 

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もともと大漁旗は小さなものでも数万円からと高価なもの。

 

それだけではなく、船主さんが新しい船を作って進水式を迎えるときにそのお祝いの品として周りの人達から贈られる縁起物で、ある意味漁師の誇りとも言うべきものでもあります。

 

「本当は手放したくないはずだと思うわよ」と阿部さん。

 

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まさに、瓦礫ではなく「財産」なのです。

 

3日ほどで、最初の試作品が完成し、形を変えた大漁旗のハッピを手に、「香取丸」の船主さんである、丹野さん宅にお邪魔してご報告。

 

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香取丸が現役で活躍していた時代をよく知るおばあちゃんは、昔を懐かしみつつ、思いがけず再び陽の目を浴びた「香取丸」をしげしげと眺めて、その出来に満足してくれました。

 

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昭和63年の第58香取丸の進水式の時の写真も見せていただくことができ、当時の勇姿を初めて目の当たりにすることもできました。

 

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瓦礫として集積所に運ばれていたかもしれない大漁旗が、少しづつカタチを変えて、たくさんの人達を巻き込みながら蘇りつつ有ります。

 

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「石巻川開き祭り」や、渡波地区のお祭り「サンファン渡波市民夏まつり」また山形県天童市での「天童祭り」ですでにこのハッピを初お披露目することもできました。

 

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現在は、ハッピ以外にも布わらじの作り方を教えてもらっり、仮設住宅のお母さんたちのお茶会で、「ものづくり」体験ということで作ってみたりもしています。

 

なるべく端切れも有効活用し、様々なカタチに変えがなら「ものづくり班」絶賛賞品開発中!

 

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「手仕事としての雇用」を生み出し本当の意味で大漁旗が蘇ったと言えるまでにはもうしばらく時間がかかるかも知れませんが、ストーリーのある大漁旗という素材を大切に、そして魅力を最大限に活かしながら地元の方々と一緒に作って行けたらと思っていますのでお楽しみに♪

 

また、こんなカタチに蘇らせてみたらどうだろう?といったアイディアもお待ちしております。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

NPOオンザロード 本日の活動

8月24日   総作業人数 109人

 

<片付け>

活動地区:大宮町、尾崎

総側溝長:480m

廃棄物回収量:88t

終了件数:9件

作業人数:62人

 

●特殊工作部隊

活動地区:石巻市渡波

解体件数:2件

ブロック塀撤去:

作業人数:2人

 

<ニーズ調査・受付>

活動地区:石巻市渡波地区

活動場所:渡波保育所前仮設風呂

受付件数:3件

作業人数:1人

 

<介助>

●仮設住宅・避難所のコミュニティ作り

活動地区:牡鹿郡女川町

活動場所:女川第一小学校仮設住宅

活動内容:集会所でのお茶会、マッサージの提供

住民参加人数:19人

マッサージ提供人数:14名

作業人数:5人

 

●仮設風呂

活動場所:石巻市渡波地区

活動場所:渡波保育所

入浴者数:25名

作業人数:5人

 

<ものづくり>

活動地区:石巻市

活動内容:復興デパートの商品探し

活動人数:1人

 

<複合復興施設>

活動地区:石巻市吉野町

活動内容:書類作成

作業人数:3人

 

<フリーペーパー>

活動地区:石巻市

活動内容:焼肉屋取材

作業人数:4人

 

<ボランティアビレッジ運営>

食事、洗濯、掃除、設備、物資管理、撮影、災害対策本部、

旅行準備、祭準備

作業人数:26人

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

comment (1)

DAILY REPORT / ON THE ROAD
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コメント

mieko

東北応援元気祭(東京)に参加させていただきました。
東北を応援するはずが
反対にこちらが応援していただいて元気を頂きました…!
大漁旗のことを知りたくて、こちらのブログを拝見しました。
「大漁旗ブランド」が楽しみです。
大好きな石巻、これからも応援しています!
素晴らしい祭を、ありがとうございました!

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